世界への窓・横須賀物語〜三浦按針(英)、ペリー(米)、ヴェルニー(仏)が見たJAPAN
令和6年度 観光庁「地域観光新発見事業」実施報告
世界への窓・横須賀物語〜三浦按針(英)、ペリー(米)、ヴェルニー(仏)が見たJAPAN

事業の背景と目的
横須賀には、江戸時代の260年にわたって日本と世界の関係を物語る痕跡と歴史が数多く残されています。しかしながら、それらをひとつの物語として繋ぐ観光コンテンツはこれまで存在しませんでした。
鎌倉武士文化財活用協議会(B文協)は、令和6年度に観光庁「地域観光新発見事業」の採択を受け、横須賀が誇るこの唯一無二の歴史資産を、インバウンド観光客にも伝わる形で整備・発信するプロジェクトに取り組みました。
テーマは「SHOGUNに影響をあたえた3異人の物語」。徳川家康の外交顧問として活躍したイギリス人航海士・三浦按針(ウィリアム・アダムス)、幕末に浦賀へ来航したアメリカ海軍提督ペリー、そして横須賀造船所建設を指揮したフランス人技師ヴェルニー——この3人の欧米人の視点を軸に、「海から始まった日本の覚醒」の歴史を体感できる観光コンテンツを新たに創出しました。
取り組みの内容

① AR歴史マンガ付き多言語看板の設置(全10基)
本事業の中核となる取り組みとして、日・英・仏の3言語に対応したAR歴史マンガ付き看板を横須賀市内の10カ所に設置しました。
設置場所は、三浦按針ゆかりの神奈川県立塚山公園(2基)、東叶神社・西叶神社・船番所跡・浦賀ドック内(各1基)、ヴェルニー公園内(2基)、ヴェルニー記念館内(1基)など、ツアーの動線に沿った歴史的要所です。
各看板にはQRコードが付与されており、スマートフォンでARマンガを読み込むことができます。登場するのは三浦按針、徳川家康、ペリー提督、中島三郎助、香山栄左衛門、ヴェルニー、小栗上野介忠順など、横須賀の歴史を彩る個性豊かなキャラクターたち。歴史的事実に基づきながらも親しみやすいマンガ表現で、外国人観光客や歴史に馴染みの薄い若い世代にも「面白い」と感じていただけるコンテンツを目指しました。
テーマは「異文化の出会いと相互リスペクトによる発展」。すでに三浦半島9カ寺に同様のAR多言語看板を整備してきた実績を活かし、今回の設置によって横須賀市内の周遊観光をより豊かなものにすることができました。

② 観光ガイドコンテンツの開発とガイド育成
「SHOGUNに影響をあたえた3異人の物語 in 横須賀ツアー」の造成にあたり、横須賀開国史研究会・東京大学・横須賀市人文博物館などの専門家監修のもと、詳細なガイディングシナリオを作成。英語対応の観光ガイドの育成も実施しました。

ツアーは横須賀中央駅を起点に、塚山公園(按針塚)→東叶神社→浦賀の渡し舟→西叶神社→浦賀ドック→ヴェルニー公園→ティボディエ邸→ヴェルニー記念館→横須賀中央駅という約7時間のコースで構成。各スポットでAR看板とガイドの解説を組み合わせることで、江戸期260年の「覚醒の物語」を臨場感豊かに体感できる内容となっています。
③ 観光WEBサイトの構築
「武家文化800年の歴史紀行〜鎌倉から幕末・明治〜」をタイトルとする観光情報サイトを新たに制作。ツアーの詳細ページ、めぐる場所の個別紹介、アクティビティ情報などを日本語で整備し、今後の多言語展開・OTA連携の基盤を構築しました。
④ 食文化体験の組み込み
江戸時代、三浦半島の鯛は生きたまま将軍家に献上されていたという史実に着目。海の食文化を観光コンテンツとして組み込み、観音崎レストアにて三浦の鯛料理を提供する体験プログラムを開発しました。

⑤ サンプルツアーの実施
令和7年1月、上記コンテンツを用いたモニターツアーを実施し、内容の検証と最終調整を行いました。浦賀湾を渡る渡し舟の上でペリーが錨を下ろした地点をガイドが指し示すシーンなど、横須賀ならではの体験が参加者から好評を得ました。
今後の展開
本事業で整備したコンテンツをベースに、三浦按針・ペリー・ヴェルニーゆかりの欧米向けSNSコミュニティやOTAを活用したツアー販売を進めていきます。また、すでに整備されている横須賀市西地区のツアーコンテンツとも連携し、三浦半島全体での周遊観光促進を目指します。
「海から世界と向き合ってきた横須賀」という唯一無二の物語を、より多くの国内外の方々に届けられるよう、引き続き取り組んでまいります。
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